オトナになるまで待たないで

夜遅くに、トウマくんが来た。


「明日から、毎日学校に行くからな」

「いくつの?」


トウマくんは、うなずいた。

「あと20日行けば、とにかく卒業出来るって」

「ねたねぇ」

「卒業したがってたもんな」



トウマくんが、私の手首にキレイな石のついたものをつけた。


…眠くなってきた。

トウマくんが、布団を掛けた。


「ナイっ」

「掛けないと寒い」

また掛け直した。


「俺の名前を言って?」

「トマくん」


トウマくんは、嬉しそうに笑った。

< 419 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop