オトナになるまで待たないで
夜遅くに、トウマくんが来た。
「明日から、毎日学校に行くからな」
「いくつの?」
トウマくんは、うなずいた。
「あと20日行けば、とにかく卒業出来るって」
「ねたねぇ」
「卒業したがってたもんな」
トウマくんが、私の手首にキレイな石のついたものをつけた。
…眠くなってきた。
トウマくんが、布団を掛けた。
「ナイっ」
「掛けないと寒い」
また掛け直した。
「俺の名前を言って?」
「トマくん」
トウマくんは、嬉しそうに笑った。