オトナになるまで待たないで

毎週のように、トウマくんの車でドライブした。

古いアパートや、

駅や

ビニールの掛けられた高い建物を見た。

「結局、壊すことになったんだよ」

トウマくんが教えてくれた。


次に海の見える場所に行った。


私は嬉しくなって、岸壁を走った。


「早っ…!こら待て!」

「あし!」

「泳げないから、この海は!」


トウマくんが、後ろからガッチリ押さえつけた。
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