オトナになるまで待たないで

トウマくんが、私を抱きしめた。


「戻ってきて…」

声がかすれている。

「後は全部、俺が何とかするから…だから戻ってきて…」


泣いてるのかな。

よしよし…


「ヨシヨシじゃねーよ…」


いい匂いがする。

「何をニオイ嗅いでるんだよ…」


いい匂い…。


「嗅ぐなっ!犬かお前は!」

「ふっふふふは」

「わ、笑ってるし…」
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