オトナになるまで待たないで
米山さんが言った。

「もしかして…戻った?」


私は呆然として、布団を見つめた。


「退院できるじゃない。オメデト」


私は言った。

「今すぐしたいんですけど」


米山さんは黙って私を見た。

「出て行けば?」

吐き捨てるように言った。

「アンタ、松井さんのお荷物だもん」


その通り。

私は立ち上がって着替え始めた。



「良かった。邪魔なのがいなくなって」

米山さんは低い声で言った。

ふと手を止めた。


「大丈夫?あの…クビにならない?」

「クビになりたいに決まってんでしょ?
こんな田舎…親のコネで入れられたんだもん」

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