オトナになるまで待たないで

―戻ってきて。

後は全部、俺が何とかするから。

だから戻ってきて―



喉の奥から、熱い感情がこみ上げてきた。

箱を閉じ、タオルに顔をうずめた。


同情でも

憐れみでもない。


あれは愛情だった。


「ごめんなさい…」

みんな愛情だった。


「ご…めん…なさい」



松井さんは本当に私を好きだったんだ。

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