オトナになるまで待たないで
駅に着いて、地下駐輪場に自転車を停めた時だった。


「坂下さん、ちょっと待ちなさいよ!」


振り返ると、熊谷くんが自転車片手に恐ろしい形相で立っていた。



「アンタ、今日のこと人に言ったら、はあはあ…どうなるか分かってんの!?」


まさか、それを言いにわざわざ?

自分でも相当飛ばして来たと思うけど。


「言わないよ」

「本当でしょうね!?」


暴力を振るったことを言っているのか、

実は「おうこ」である方を言っているのか、

よく分からない。
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