オトナになるまで待たないで
お母さんの顔が浮かんだ。

すべての元凶になった女。

現実より、自分の女子力を優先した女。



私は、熊谷くんを睨みつけた。

睨みながら涙が出た。

何か、むなしかった。



熊谷くんが、手を離した。

「行っていい」



私は涙を拭って、改札口への階段を登った。
< 50 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop