オトナになるまで待たないで
━━うちに親戚なんかいない。2人だけで弔おう━━
市内にあるお寺から、ヨボヨボのお坊さんが来た。
お父さんが席を離れた隙に、私はお坊さんに言った。
言わずにいられなくて。
「お母さんは、子供だった」
長い沈黙が流れた。
耳が遠いのかと思った途端、お坊さんはおっとりした口調で言った。
「人間には、その方その方に見た目とは違う年齢がございます」
え……
「だって……母親なのに女子高生みたいなんて、アリなんですか?」
お坊さんは答えた。
「お母様は、ご自分のお選びになった年齢を生きられたのでしょう」
海に、お母さんの灰を紙に包んで流した。
そして決意した。
今日から、25歳を生きてやる。
市内にあるお寺から、ヨボヨボのお坊さんが来た。
お父さんが席を離れた隙に、私はお坊さんに言った。
言わずにいられなくて。
「お母さんは、子供だった」
長い沈黙が流れた。
耳が遠いのかと思った途端、お坊さんはおっとりした口調で言った。
「人間には、その方その方に見た目とは違う年齢がございます」
え……
「だって……母親なのに女子高生みたいなんて、アリなんですか?」
お坊さんは答えた。
「お母様は、ご自分のお選びになった年齢を生きられたのでしょう」
海に、お母さんの灰を紙に包んで流した。
そして決意した。
今日から、25歳を生きてやる。