オトナになるまで待たないで
怒りで血の気が引く。

私は、その男を見返した。



「誕生日なんて、忘れてました」

「ウッソくせぇ」



―ピンポーン―

カウンターから音が聞こえる。

お客さんが押すチャイムの音だ。

「とにかく帰れ」

そう言いおいて、男は居なくなった。



続けざまに、お客さんが入ってくる気配がする。

料理の注文に使う内線も鳴っている。




な…なにアイツ…



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