オトナになるまで待たないで

「それでね、その前に診断の結果を先生からお話ししますから。ね？」

また、機械的にうなずく。




「坂下さん、分かりますか？」



今度は先生がベッド脇に移動してきた。

先生は、低い声で話し始めた。



「まず指の骨折です。この写真のこの部分ですね」

骨折…生まれて始めてだ。



「あと肩の方のじん帯が伸びてしまってます」

じん帯…これはよく分からない。

不審そうにしていると、先生は言い足した。

「これは、捻挫と同じ状態です」



うなずく。




「それも困ったことなんですが、もっと困ったことがあるんですよ」