オトナになるまで待たないで
カーテンを開けて、中年の看護婦さんが入って来た。

細身でワシ鼻の個性的な顔立ち。



あっ…。



「ひさしぶりじゃないのよ、アナタ」

「わあ。お久しぶりです」



お母さんが入院していた時、主任さんと呼んでいた看護婦さんだ。



主任さんは、店長をジロジロと眺めた。

「この彼氏は、武道家?」

「違いますよ!バイト先の店長です!」

「ふーん。腕周りが何かやってる感じだけどね」

主任さんは、つくづくと店長を見回して

「何かやってるでしょ?」

店長が気乗りしない感じで答えた。

「…剣道です」

「ほらね」



剣道!?
この店長が剣道!?

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