オトナになるまで待たないで
テスト期間も終わり、あと3日で夏休みが始まる。


「え、あの人?地味すぎじゃね?」

「王子と釣り合わないよねー」


…聞こえてるし。

そうですよ、地味ですよ。



王子は脳天気だ。

「海!今日こそ、コレなんとかするからね」


そう言いながら、私の髪を撫でつける。



「なっちゃん」とか

「なっち」とか、

普通に「夏海」でいいじゃないか。



「なぜに『海』呼ばわり?」

「なっちゃんはナイ。千葉臭がする」



つーか、ここ千葉だし…

チャイムと共に、英語の先生が入って来た。



ああ…遂に。

順番に名前を呼ばれ、答案用紙が返される。
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