オトナになるまで待たないで

友だち

「ほら!早く帰ろう!」

王子がテンション上げ気味に言う。



……げっそり。


王子が私の荷物を詰めるのを黙って見ていた。

「そりゃ、あんたはいいよ……」


荷物を詰め終わった王子が言う。

「立って立って立って!」

せき立てられて、立ち上がった。



「どうして、そんなに頭いいの?」

「あんなの丸暗記でいいやん」

「だって数学は?」

「今日だとプロの指導でやってくれるんよ~。素敵な人で憧れやね~ん」


ダメだ。

天才に聞いたって、話にならない。

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