涙色の空をキミに。
…私は、冷たかった家族が、温かいことを知ったけれど。
琉空は温かい家族も、離れていくことを知った。
私達は、似ているようで、正反対。
きっと、あたたかさを知った分、裏切られた方がずっと辛い。
琉空を助けたいと思うのに、また届かないと思うと怖くて。
だって、私は、琉空のこと…、何も知らないから。
逢ってからそんなに月日が経っているわけでもない。
思えば、初めから琉空だけが私に距離を詰めて近づいてきてくれるのに、私が近づこうとすると朧げにどこか遠くに行ってしまうような気がした。
私が手を伸ばしても、決して掴めない。
「…お姉ちゃん?」
「え、あ、…なに?」
「…顔。泣いちゃいそうだよ?」
結衣が可愛らしく人差し指で自分の頬をトントン、と叩く。
不思議そうな顔をしている結衣に、何でもないよと口元を緩めると、そう?と小さい返事が返ってきた。
ごめんね、本当は何でもないなんて、嘘。
…もどかしいんだ、すごく。
だって私は琉空に何もしてあげられない。