涙色の空をキミに。
「ごちそうさまでしたっ。」
手を合わせてご飯の終わりの挨拶をしてから、食器を片付けようとすると、お母さんに私がやるからいいわよ、と言われる。
「…でも、」
「いいのよ、夢空疲れてるみたいだから。」
「…ありがとう。」
お母さんに微笑んで、自分の部屋へトボトボと移動する。
やっとの事で辿り着いた部屋は、薄暗くてさっき公園での景色によく似ていた。
「…琉空。」
君は、私を変えてくれた。
だから、君が困ってるなら苦しいなら助けたいって思うのに。
『どうもしなくていい。』
…そんなわけない。
このままでいい訳が、ない。
それでもこの声がこの手が、君に届くとも思えない。
ずるずる、と壁にもたれたまま座り込む。
怖い。消えてしまいそうな君が。
悲しみで張り裂けてしまいそうな君が。
だらしなく手を下げると、その反動で私の目から一雫だけ涙が零れた。