涙色の空をキミに。
そんなの…嘘だよ、自分の感情に見て見ぬ振りをして言い訳してるだけ。
「…琉空は、それでいいの?よくないでしょう…!?お母さんに、もう一度会いたいでしょう…っ!?」
「じゃあ、会うためにどうしろって言うの?会って俺は何をすればいいの?…母さんは俺が嫌いで出て行ったんだ、8年も前に。…今更何を話せって言うんだっ…」
私の声に冷たい言葉が返ってくる。
何も感じてないみたいな初めて見る琉空の表情。
…それなのに、どうしてそんなに辛そうなの。
「…違う、…そんなの琉空が逃げるための、諦めるための言い訳だよ…」
私が震える声で小さいながらもポツリと言うと、琉空が目を伏せた。
唇を噛み締めて、心なしか少し怒ってるようにも見える。
「…何が、分かるの。」
琉空が俯いて発した言葉には怒気が含まれていた。
独り言のように呟いた言葉が地を這って、私にまで伝わる。
…怒る琉空なんて、初めて見た。
「夢空に、何が分かるの。」
もう一回言い直された言葉は、さっきよりも強くて。
私から言葉を失くさせる。