涙色の空をキミに。
「…変えられるよ、夢空が強く望めば。何だって、変えられる。薄い希望なんかじゃない強い気持ちならどんな不可能に見えるものだって、変えられる。」
嘘だって言うのは幾らでも出来るのに、琉空がそう言うと信じてみたくなる。
…こんな私でも、また何かを変えられる?
変えるように動ける?
「…それに、夢空は、もう誰かを変えてるよ。」
「…え?」
「雨宮。ずっと俺に相談してたんだ。俺と夢空が最近一緒にいるのをどっかから聞いたのか、いきなり俺のクラスに来て。」
…渚沙が?
驚いて琉空を見ると、ちょっと眉を下げて笑う。
「自分を助けてくれたのに、今夢空が困っていても何もできない、ってすごい悩んでた。今度は自分が夢空を助けたいって。」
思い出すのは、端の方でいつでも小さくなっていた渚沙。
…そんなこと思っていた何て知らなかった。
クラスのこと、知ろうと思っていなかったから。
「…大丈夫。夢空なら絶対に大丈夫だよ。」
優しく微笑む琉空の言葉に静かに頷くと同時に、一雫熱い涙が流れた。