Lave Story
俺の付き合ってた奴と、その友達らしき女達の声がろうかまで聞こえてきた。
「和也君さ、顔がいいから告ったけどー、好きとも言ってくんなしぃ、チューもしてくんないんだよねー」
「えー!まだチューしてないの!?」
「あり得ないよね?飽きてきたしそろそろ別れよっかなー」
…………その日、俺からフってそいつとは別れた。別に好きでもなかったから、ショックなんてことはなかった。
けど、その日から俺は、誰とも付き合わなくなった。
もし、本気で好きになって、あんな風に言われるのが怖いから。
「好き」
あいつらがよく口にするそれは、俺のことが好きなんじゃなくて、俺の顔が好きなだけ。
だから俺は、誰も好きにならないし、誰とも付き合わない……
「…ずっ。和!おーい、和くーん?」
陵の声で、ハッと我にかえった。