冷酷な彼は孤独な獣医
あたしを見るなり、龍は真顔でそう言う。


「ちょっと!その呼び方やめてよ!」


あたしがそう言うと、龍はキッチンへと行く。


「お前!ジュース出しっぱなしにしてんな!

冷蔵庫に入れろ!」


龍はあたしをにらむ。


「あぁそれ空なんだよね。

なんでかわからないんだけど、すごく喉が乾いてさ。

こんなの初めてだよ!」


空の紙パックを片付けると、龍が呆れた顔で話す。


「それは脱水症状だ」


「え?」
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