冷酷な彼は孤独な獣医
で、結局乗る事になった訳で………


あたしは体を固定しているバーが本当に外れないか、

何度もチェックをする。



そんなあたしを、龍はニヤケながら見ている。


「お前のバーだけ、途中で解除になったりして」


「ちょっと!冗談でもそんな事言わないでよね!

不安になるでしょ!」


龍をにらむと、スタートを知らせるブザーが鳴る。



「うわっ!どうしよう!」



緊張は一気に頂点まで達し、

バーを掴むあたしの手は汗で滑る。

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