冷酷な彼は孤独な獣医
いつもクールな龍が、そんなに大きな声で笑うなんて意外で、

どんな顔をして笑っているのかが気になったけど、

龍の顔を見る余裕なんてなかった。



そして元の場所にジェットコースターは停まり、

あたしはフラフラになりながら降りる。



「あぁ、生きてる気がしない……」


あたしがそう言うと、龍は笑いながら話す。


「お前、一生嫁に行けないくらい酷い顔して叫んでたぞ!」


「ほっといてよ!」


龍に背中を向けると、

その視線の先に涼太を見つけた。



「………涼太」
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