冷酷な彼は孤独な獣医
「これは、小型犬や猫によくある事なんだ」


「どうすればいいの?」


「中には手で与える事で食べるヤツもいるが…」


龍は話を途中でやめ、フウドボールを犬の前に置く。


「ん?」


「試しに手で与えてみろ」


「うん」


あたしは、ドッグフードを少し手に取ると犬の方に近づける。


すると犬は、ビクビクしながら後ずさりした。


「なんか……凄く怖がってるんだけど………」


「コイツは凄く臆病なんだ」


「じゃあ、どうすればいいの?」


龍はフウドボールを手に取ると、

部屋の奥に設置されている冷蔵庫を開ける。

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