冷酷な彼は孤独な獣医
「龍は?」


「俺は時間がないからいらない」


「えっ?だって午後からの診察は4時からでしょ?」


「2時から猫の手術だ」


「えー!そうなの?でもまだ40分くらいあるよ?」


あたしの言葉を無視して、龍は書き物を続ける。



こうしてあたしの言葉を無視してなにかをやっている時の龍は、

急に近寄りがたい感じになる。


龍はいつだって、さっきまで普通に話していたかと思うと、突然あたしを無視する。


きっとあたしとの会話なんて、下らないと思ってるんだ。


あたしは冷蔵庫を開けると、野菜を取り出した。


ご飯は龍が予約をしていて、すでに炊き上がっている。



< 180 / 650 >

この作品をシェア

pagetop