冷酷な彼は孤独な獣医
「いいから早くしろ!」


「嫌だよ!」


「お前が押さえないと、俺が咬まれるだろ!

早く押さえろ!」


「なによそれ!」


あたしは意を決して、龍の言う通りにブルテリアを押さえた。


「大丈夫だからね。少し我慢してね」


そして龍が針をさす瞬間、あたしは目を閉じた。







「よし!終わった!」


「はぁ……」


あたしは犬から手を放すと、犬の頭を撫でた。


「よく我慢したね!偉いね!」


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