冷酷な彼は孤独な獣医
すると、瑞樹さんがあたしの顔を覗き込む。


「あれ?もしかして、もう龍の事?」


「それはない!あたしには好きな人がいるから!」


あたしはまだ、涼太の事を嫌いになれないでいた。


「そっか、それならいいけど!

龍は誰も好きにならないから、

龍を好きになっても辛いだけなんだ!

それで!龍にフラれた女の子は俺に泣きついてくる訳!

俺はそんな女の子達をそっと抱きしめて、

弱った心の隙間に入って、それで………

まぁ、ここからは想像に任せるよ!」


「…………。

ねぇ瑞樹さん?龍は誰も好きにならないってどうして?」


「龍は、深い傷を負っちゃったから。心に」


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