冷酷な彼は孤独な獣医
キリとチップの散歩が終わり朝ご飯を食べると、

あたしは部屋の掃除を始めた。


「ねぇ龍?」


龍は書き物をしている。


「ん?」


「あのねっ、掃除が終わったらちょっと出掛けて来てもいい?」


「あぁ」


「それで、ちょっとお願いがあるんだけど……2千円貸してくれない?」


すると龍は、あたしに財布を渡す。


「ほら」


「嫌だよ!そんな大金が入った財布、持ち歩きたくないよ!

2千円でいいから!」


龍は財布から1万円を取り出すと、あたしに渡す。


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