冷酷な彼は孤独な獣医
なぜあたしがこんな時間に、

動物病院に犬を連れて来ているのかというと……



今からさかのぼる事1時前───




「ちょっと涼太!昨日どこに行ってたのよ!」


あたしには、半年前から同棲している同じ年の彼氏がいた。



「うるっせぇーな、健斗の家で飲んで、

それで気が付いたら終電なくなってたから、

健斗の所に泊まったんだよ!」


そう言って、眉間にシワを寄せテレビを付けた涼太に、あたしは強い口調で話した。


「だったら普通、連絡くらい入れるのが常識ってやつでしょ!!

あたし達、一緒に暮らしてるんだよ!!

あたし、ずっと涼太の事待ってたんだよ!!」


あたしは、涼太からリモコンを取り上げるとテレビを消し、

そして涼太の手が届かない所にリモコンを置いた。
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