冷酷な彼は孤独な獣医
買い物へ向かう途中、あたしは龍の横顔を見た。


龍の目はやっぱり、どことなく冷たい感じで………



きっとそれは、誰かを好きになるという感情を捨てたからなのかもしれない。



龍を見ていると、龍が突然あたしの方を向く。



「おい、捨て猫」


「え?」


「前見て歩け」


「あっ…はい」


龍は少し笑うと早足で歩く。



あたしは、龍の後ろを付いて行った。



いつも強気で偉そうで、人に酷い事ばかり言う龍。


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