冷酷な彼は孤独な獣医
龍は呆れた顔であたしを見ると、

なにも言わず入院室を出て行った。



まったく!!



それから8時になると、新しい人が病院へ来た。


「この度、吉良動物病院で働く事になった、

桐島加奈と申します。

仕事に慣れないうちは、何かとご迷惑をお掛けするかと思いますが、

ご指導の程よろしくお願いします」


彼女は丁寧に頭を下げる。


「あっ!私の名前は藤崎理央です。どうぞよろしくお願いします」


あたしがそう言うと、龍が呆れた顔をする。


「まるで小学生の自己紹介だな」


「え?」
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