冷酷な彼は孤独な獣医
「先生、私が代わります。

頸静脈から採血するんですよね」


「あぁ」


桐島さんは犬の脇にしゃがむ。


「えっ大丈夫です」


あたしがそう言うと、桐島さんは真顔で話す。


「いいから」


「あっ…はい……お願いします」


あたしは隅に寄った。



なによ!なによ!なによーっ!!



そして採血は速やかに行われた。


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