冷酷な彼は孤独な獣医
午前中の診療が終わり、あたしは桐島さんに話し掛けた。


「桐島さん、何でも出来るんだね」


すると桐島さんは笑顔で話す。


「この仕事について、5年になるから」


「そうなんだぁ。えっ?桐島さんって今何歳?」


「26歳」


「龍の1つ下かぁ……」


あたしがそう呟くと、桐島さんが不思議そうな顔をする。


「龍って?」


「あっ……ここの不愛想獣医の事!」


「先生の事、龍って呼んでるの?」


「うん。本人がそう呼べって言ったから。

あっ!あのねっあたし、もともと此処で働いてた訳じゃなくて、

龍の家の雑用やってて………まぁいろいろと事情があってね」


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