冷酷な彼は孤独な獣医
桐島さんと話していると、龍があたしを呼ぶ声が聞こえて来た。


「雑用!早く来い!」


「はーい!!ねぇ、桐島さんはお昼どうするの?」


「…………」


桐島さんは、あたしの質問に答える事なく歩き出す。


「えっ?ちょっとーっ!」


あたしが大きな声を出すと、

桐島さんはその場に立ち止まりあたしの方を向く。


「お昼行ってきます」


「あっ……はい。わかりました……」


あたしがそう言うと、桐島さんは急に厳しい顔をする。


「あの藤崎さん」


「はい?」


「さっきみたいに、あたしが代わるって言った時は、

速やかに代わって下さい。


あたし達がごちゃごちゃやってると、

動物が不安がりますから」
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