冷酷な彼は孤独な獣医
あたしはキリの背中に顔をうずめた。


すると、龍がテーブルに料理を運びながら話す。


「それじゃあ、キリが悪いみたいだろ!」


「そうじゃないけど……」


「っつーかお前、キリに伏せって言って伏せさせて、

おすわりって言って座らせてる時点で、練習になってないけどな」


「あっ!本当だ!」


「みんながみんな、お前の言う事聞いて、

伏せやおすわりをする訳じゃないからな。

いいから、こっち座って昼食食べろ」



「はーい。あっ!そう言えば、

今日は午後から手術入ってるよね?

帝王切開だっけ?」


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