冷酷な彼は孤独な獣医
あたしと龍が話していると、

桐島さんが呆れた顔であたしに聞く。


「飼い主さんは、そのウサギがどんな風におかしいって言ってるんですか?」


「ただ、様子がおかしいって、凄く心配そうな顔で……」


「どんな風におかしいかを聞かなかったんですか?」


「………はい」



桐島さんは、厳しい顔であたしを見る。



「その飼い主さんの所に連れて行って下さい!」


「あっはい……」


待合室へ行くと、おばあさんは心配そうな顔であたし達を見る。



「あの方です」


あたしがそう言うと、桐島さんはおばあさんの前にかがむ。


「こんにちは」


「こんにちは」


「様子がおかしいとの事ですが、詳しく聞かせていただけますか?」


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