冷酷な彼は孤独な獣医
「ありがとう藤崎さん」


「………どういたしまして」


いつもと違う桐島さんがなんか怖かった。



午前中の診療が終わり、院内を清掃すると2階へ行った。


龍は昼食の準備をしている。


あたしは、ラグマットの上で横になっているチップのお腹を触った。


チップは出産間近となり、あたしはチップの赤ちゃんを見るのが楽しみだった。


そして一つ、決意している事があった。


「龍?」


「ん?」


「あのねっ!あたし、チップの帝王切開立ち会うよ!」


自然分娩が難しいチップは、

帝王切開をする事になっていた。




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