冷酷な彼は孤独な獣医
龍に見つめられると、緊張して目線を外したくなってしまう。

でもあたしは、この真剣な思いが伝わって欲しくて、

ずっと龍の目を見続けた。


そして龍は、真剣な表情のままあたしに話す。


「お前の場合、変わらないんじゃなくて、

進歩しないんだろ?」


「えっ?」


「お前は変われ!」


「はぁ?」


「ったく!ちょっとデカい動物が来ると、いまだにビビってるだろ!

そろそろ慣れろ!」


「そういう事じゃなかったんだけど……」


「よし!そろそろ寝るぞ!」


龍はソファーから立ち上がると、

笑顔であたしを見る。



「うん…そうだね……」










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