冷酷な彼は孤独な獣医
すると車の中から、龍の兄が出てきた。


「おう!龍我!」


龍は真顔で話す。


「なにしに来た?」


「なんだよ、そんな怖い顔して!」


すると龍の兄があたしの顔を見る。


「やっぱり君、龍の彼女なんだ」


「えっ…いや……違います」


「そうなの?」


「はい……」


龍の兄は首を傾げると、龍に話す。


「来月、美紀と籍を入れる事になったんだ。

それでお前に、婚姻届けの証人になって欲しいんだけど、

まぁ証人って言っても、

別に名前を書くだけで、そんな重く考える必要はない。

どうだ?頼まれてくれるか?」



えっ……なんでそんな事……龍に頼めるの?


それに……美紀さんは別れたがっている筈じゃ………

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