冷酷な彼は孤独な獣医
「暑かったら脱げばいいだろ?」


「えっ?」


後ろを振り返ると、龍が呆れた顔であたしを見ている。


「だから、脱げばいいだろそれ!」


「あー!そういえば、カーディガン着てたんだぁー!

アハハハッ。バカだなあたし!」



あたしはカーディガンを脱ぎ、

待合室の椅子に置くと入院室へと行った。



入院舎の掃除をしていると、

病院の電話が鳴る。


急いで入院室を出ると、受付けに居た桐島さんが電話をとる。


「吉良動物病院です」


あたしは入院室へ戻ろうとすると、

桐島さんが、電話相手に深刻そうに話す。



「はい……わかりました。

今、先生に確認致しますので、

折り返しこちらからご連絡させて頂いてもよろしいでしょうか?」

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