冷酷な彼は孤独な獣医
龍はあたしの隣で横になる。


「っていうか………普通付き合ってもない女の子と一緒のベッドに寝る?」


「だったらお前、あの犬と一緒にゲージの中で寝ろ!」


「なによそれ!」


「言っておくけど、俺はお前を女として見てないから安心しろ!」


「あっそ!そんな事言って、ちゃっかり触ってきたりしないでよね!」


「頼まれても何にもしてやんないから大丈夫だ!」


「ムカつく!」


「いいから早く寝ろ!もう4時間後には起きるんだぞ!」


「えっ!4時間後って6時?」


あたしがそう言うと、龍は何も言わずあたしに背中を向ける。



はぁ……まったく6時に起きて、

あたしに何やらせる気よ!






それから少しすると、龍の言った通り諦めたのか、

犬は大人しくなった。



そしてあたしはいつの間にか眠っていた。




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