冷酷な彼は孤独な獣医
ムキになっているあたしに、

龍はいたずらっぽい笑顔で言う。


「アハハッさっきと同じ事、もう一回言ってみろ!」


「えっ…」


あたしはさっき自分が言った事を思い出し、

急に恥ずかしくなった。


「早く言ってみろ!」


龍はニヤニヤしながら言う。


「ちょっとーやめてよ!変態!ドS!」


龍の体を突き飛ばそうとすると、

龍はあたしの腕を掴みベッドから起き上がらせる。


「まったく、やっかいな捨て猫拾ったなぁ」


龍はあたしの頭に手を乗せると、

はにかんだ笑顔であたしを見る。


「ニャーン!」


「アホウ」


そしてあたし達は笑った。




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