冷酷な彼は孤独な獣医
あたしが笑顔で龍を見ると、

龍は呆れ顔であたしを見る。



「やめろ」


「えっ?」


「二度とたとえる事をやめろ」


「なんで?」




午後の診察時間になり、あたしと龍は1階へ行った。


午後からも予約で忙しく、

そんな中、昨日ウチの病院でヘルニアと診断され、

そのまま入院する事になった、

ウェルシュコーギーの飼い主の女性が訪れた。


この飼い主の女性はかなり癖のある人で……

しかも結構なお金持ちらしく、

着ている服に持ち物、それに犬のリードまで全部ブランド品だった。

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