冷酷な彼は孤独な獣医
「獣医でもないお友達のいう事をきいて、

あなたがあの犬を連れて帰るのは自由だが、

それで今までと同じ生活をさせれば、

いずれ麻痺が起こり、立つ事も歩く事も出来なくなる。


当然、糞尿は垂れ流しだ。


それ以外にも問題はたくさんあるが、

まぁ、別にあの犬がどうなろうと、

俺にはどうだっていい事だけどな」


龍の言葉に、田崎さんはかなり怒った様子で話す。


「どうだっていい?あなたそれでも獣医なの?

動物をなんだと思ってるんですか!

こんな最低な獣医の所に、

ウチの子を入院させていたなんて恐ろしい!」


龍は、椅子にもたれ掛るとため息を付く。


「はぁ……」


「なんですかその態度!」


あたしはどうしていいかわからずにいると、

田崎さんがあたしに言う。


「早くうちの子を連れてきて!」



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