冷酷な彼は孤独な獣医
「わかりました……待合室の方でお待ちください」


田崎さんは、大きな足音をたて診察室を出ていく。


あたしは入院室に入ると、

田崎さんが龍に言った言葉を思い出した。



「あなたそれでも獣医なの?

動物をなんだと思ってるんですか!

こんな最低な獣医の所に、

ウチの子を入院させていたなんて恐ろしい!」



龍の発言に対して、田崎さんが言った事はもっともなのかもしれない。


でも龍は、田崎さんが思っている様な最低な獣医なんかじゃない。


龍はいつだって、ペットと飼い主さんの事を真剣に考えている。


だから、龍を最低な獣医だなんて勘違いしないで欲しい。
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