冷酷な彼は孤独な獣医
結奈ちゃんが帰ると、あたしはクタクタになりながら階段を上る。


そして部屋に入ると、

いつもなら夕食の準備をしている龍が、

さすがに疲れたのかソファーに座っている。


「龍?今日はあたしがご飯を作るよ」


あたしがそう言うと、龍はソファーから立ち上がりあたしをにらむ。


「この家には、金にならないものを盗む泥棒が居るみたいだなぁ」


龍はテーブルの上のノートを手に取ると、

あたしの目の前にくる。


「あっ……」


「此処のページが勝手に切り取られているのは何故だ!」

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