冷酷な彼は孤独な獣医
龍はノートを開くとあたしに見せる。


「あぁ……それは……田崎さんに……」


「渡したのか?」


「うん……」


あたしがうなずくと、龍はますますあたしをにらむ。


「なんでそんな勝手な事をした!」


龍に怒られ、あたしは下を向いた。


「だって……せっかく龍が書いたのに……」


「余計な事をするな!!」


龍に怒鳴られ、あたしは思わず泣き出してしまった。


「そんなに怒らないでよ……」


「泣くな!面倒くさい!

ったく!あの飼い主にあれを読ませる価値なんてないだろう!

このバカが!」


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