冷酷な彼は孤独な獣医
「あぁ…はい……」


あたしは複雑な気持ちでうなずいた。


龍があたしをかばってくれたのはわかるけど、

野口さんに、龍のミスだと思われるのは嫌だった。


でも……龍がそんな事をしてくれていたのは嬉しいっていうか……



午後の診療が終わり、2階へ行くと龍が夕食の準備をしている。


「ねぇ龍?」


「ん?」


「野口さんから聞いたよ。

あたしのミスにしておけばよかったのに」



少し間があき、龍が口を開く。


「あれは俺のミスだ。

偽のカルテを作るような看護師を雇ったのは俺なんだから」


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