冷酷な彼は孤独な獣医
「ねぇ、龍……?」


「ん?」


龍の体温を全身に感じ……


「生きてる音がするよ」


「なんだそれ?」


龍のやさしい手の感触が伝わってくる……


「龍の心臓の音。

なんか……切ない………」


「どうして?」


きっと今、この瞬間、あたしは凄く幸せな筈なのに……


「近くて遠いから……」


「…………」


泣きたくなるくらい切ないんだ。




龍の事が好きで好きで仕方がないのに、

龍はあたしの人にはならなくて。


好きになればなる程、

辛くなるとわかっているのに、

きっとあたしは………

今よりももっと、龍を好きになるんだ。


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