冷酷な彼は孤独な獣医
涼太は立ち上がり、

玄関に向かって歩き出した。



そんな涼太にあたしは

「今すぐ出て行く」

そう言うと、鞄に荷物を詰め涼太の家を出た。




でも、涼太の言う通り帰る所のないあたしは、

駅のコインロッカーに荷物を預けると、

あてもなくそこら辺を歩き出し………



そこで立ち寄った公園で、この犬と出会ったんだ。



行くあてもなくて、それに辺りは暗くて……

凄く心細かったあたしは、

この子に出会ってホッとしたっていうか………


そしてあたしは、この子の前にしゃがんで、

「おいで」

そう言って手を叩くと、

この子は右足を地面に付ける事なく、

あたしの所に走って来て………


そこであたしは、この犬が足を怪我している事に気が付いた訳で………





そしてあたしは今、動物病院の前に居る。








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