冷酷な彼は孤独な獣医
「龍?」


「ん?」


「入院犬の散歩にいくんでしょ?」


「あぁ」


「じゃあ一緒に行こうよ!キリも連れて!」



外に出ると空は青く風は穏やかで、

絶好のデート日和だった。


「ねぇ龍!」


「ん?」


「今日、待ち合わせしようよ!」


「待ち合わせ?」


「うん!あたしが先に家を出て、

龍がくるのを待ってるの!」


「それ、意味あるのか?」


「うん!なんか、好きな人がくるのを待ってるのって、

凄くドキドキして楽しいっていうか……

あっ…」


あたしはつい、そんな事を口にしてしまう。

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