冷酷な彼は孤独な獣医
自分が知らない自分
「理央ちゃんおはよう!」


キリの散歩に出ると、瑞樹さんがちょうど店から出てきた。


瑞樹さんは、昨日の事をまったく気にしていない様子で、

笑顔であたしにあいさつをする。


「あっ…おはよう……」


それに対してあたしは気まずく、

瑞樹さんの脇を足早に通り過ぎた。


「なんか傷つくなぁ~」


「えっ…」


その声に足を止め瑞樹さんを見ると、

瑞樹さんはいじけた顔であたしに近づく。


「俺って理央ちゃんの中で、危険人物になっちゃった?」


「あぁ…ん…いやっ…」

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